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記憶力選手権のページ 作成 2016年12月8日 最終更新 2017年6月11日

世界記憶力選手権(World Memory Championship)とは、1991年にトニー・ブザン(イギリス、1942年生)とレイモンド・キーン(イギリス、1948年生)が共同で創設した、記憶力世界一を決める大会である。

現在、世界において、「世界一頭の良い人物(Smartest person)」、つまり世界一の天才を決定するような国際的な大会は、存在していない。IQ(知能指数)世界一を決める大会は、存在するらしい("IQ Championship"で検索するとよい)ものの、日本ではほとんど認知されていない。世界的にも、世界記憶力選手権に比べればIQの大会の認知度は概して低く、頭を使う大会としては世界記憶力選手権の方が参加者の多さ、検索エンジンでの検索時のヒット数の多さや、関連する書籍が複数出版されていることから、世界記憶力選手権のほうが著名であることは明らかとなっている。

このことから、脳を使う大会としては世界記憶力選手権はもっとも著名なもののひとつであり、脳力ナンバーワン、つまり世界一の頭脳をもった人を決める大会に最も近い...と言えるのではないだろうか。

記憶力世界選手権のロゴ(WMSC)

実は記憶力選手権を運営する組織は2つ存在し、ひとつはWMSC、もうひとつは2016年にWMSCから分裂して新たに発足したIAMという組織である。WMSCとIAMがそれぞれ大会を開催したりランキングを作ったりして、世界大会や世界ランキングが2つも存在するという状態になっている。しかし、なぜ分裂してしまったのだろうか。このことは後述する。

初期はヨーロッパ人が上位を占めていたが、2010年代に入ってからはアジア人、アメリカ人も上位に入ることが増えている。アジア人でもモンゴルが人口300万人の小国であるにもかかわらず上位成績者が多く、ランキングには多数のモンゴル人が入っている。これは、陸上競技の短距離走の上位成績者に(人口はモンゴルと同程度の小国の)ジャマイカの出身者が多いことと似ている。日本人の上位成績者のランキングに占める割合は概して低く、トップ100位以内に日本人は1人のみ(IAM発表のランキングによる)となっている。


記憶力上位者トップ5(出典)2017年1月現在
順位 名前 得点 性別 記録年
1  ヨハネス・マロー 8,792 男性 2013
2  アレックス・ミュラン 8,647 男性 2016
3  マーヴィン・ウェロニアス 8,086 男性 2015
4  サイモン・レインハルド 7,806 男性 2015
5  ヨナス・ヴァンエセン 7,407 男性 2014

記憶力上位女性トップ3(出典)2017年1月現在
順位 名前 得点 記録年
1  Tsetsegzul Zorigtbaatar 6,770 2016
2  Liu Huifeng 6,730 2016
3  Yanjindulam Altansuh 6,459 2015

世界記憶力選手権 歴代優勝者(出典
開催年月日 優勝者 得点 性別 生年月日 優勝時点(大会終了日時点)での年齢
1 1991年10月26日  ドミニク・オブライエン 男性 1957年8月10日 34歳77日
2 1993年8月7-8日  ドミニク・オブライエン(2回目) 男性 1957年8月10日 35歳363日
3 1994年8月6-7日  ジョナサン・ハンコック 男性 1972年2月12日 22歳176日
4 1995年8月5-6日  ドミニク・オブライエン(3回目) 男性 1957年8月10日 37歳361日
5 1996年8月3-4日  ドミニク・オブライエン(4回目) 男性 1957年8月10日 38歳360日
6 1997年8月22-23日  ドミニク・オブライエン(5回目) 男性 1957年8月10日 40歳13日
7 1998年8月?日  アンディ・ベル 男性 1972年 24 or 25歳
8 1999年8月26-27日  ドミニク・オブライエン(6回目) 男性 1957年8月10日 42歳17日
9 2000年8月21-22日  ドミニク・オブライエン(7回目) 男性 1957年8月10日 43歳12日
10 2001年8月25-26日  ドミニク・オブライエン(8回目) 6,263 男性 1957年8月10日 44歳16日
11 2002年8月24-26日  アンディ・ベル(2回目) 6,927 男性 1972年 29 or 30歳
12 2003年10月3-5日  アンディ・ベル(3回目) 6,701 男性 1972年 30 or 31歳
13 2004年8月28-30日  ベン・ブリッドモア 8,302 男性 1976年10月14日 27歳321日
14 2005年8月13-15日  クレメンス・マイヤー 6,240 男性 1985年9月25日 19歳324日
15 2006年8月19-21日  クレメンス・マイヤー(2回目) 7,302 男性 1985年9月25日 20歳330日
16 2007年8月31-9月2日  グンター・カールステン 6,986 男性 1961年9月23日 45歳344日
17 2008年10月24-26日  ベン・ブリッドモア(2回目) 7,908 男性 1976年10月14日 32歳12日
18 2009年11月12-14日  ベン・ブリッドモア(3回目) 7,854 男性 1976年10月14日 33歳31日
19 2010年11月3-5日  ワン・フェン 9,486 男性 1990年 20歳
20 2011年12月7-9日  ワン・フェン(2回目) 8,478 男性 1990年 21歳
21 2012年12月14-16日  ヨハネス・マロー 8,413 男性 1981年6月7日 31歳192日
22 2013年11月30-12月2日  ヨナス・ヴァンエセン 8,534 男性 1991年4月24日 21歳222日
23 2014年12月11-14日  ヨナス・ヴァンエセン(2回目) 8,189 男性 1991年4月24日 22歳234日
24 2015年12月16-18日  アレックス・ミュラン 8,926 男性 1992年3月3日 22歳290日
25 2016年12月14-18日  アレックス・ミュラン(2回目) 8,647 男性 1992年3月3日 23歳290日

主な記録(2017年1月現在)
記録名 記録保持者 記録の詳細
最年少優勝  クレメンス・マイヤー 19歳324日
最年長優勝  グンター・カールステン 45歳344日
女性での最高順位  アストリッド・プレッスル 2位(2003年と2004年)
最多優勝  ドミニク・オブライエン 8回
連続最多優勝  ドミニク・オブライエン 3回(1995 - 1997と1999 - 2001)


記憶力選手権で行われる種目

・顔と名前(Names and Faces)

様々な人種・年齢の人間の顔とその下に書かれた名前を覚える種目。

世界記録:ケイティ・カーモード(イギリス・女性)5分で97ポイント
ケイティ・カーモード(イギリス・女性)15分で200ポイント

・数字記憶(Numbers)

10進数の数字を、15分〜1時間かけて記憶する種目。

世界記録:アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)15分で1100桁
アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)30分で1933桁
アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)1時間で3029桁

・カード記憶(Cards)

カード(トランプ)の順番を、15分〜1時間かけて記憶する種目。

世界記録:Lkhagcadulam Enkhtuya(モンゴル・女性)10分で493枚
アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)30分で910枚
Shi Binbin(中国・男性)1時間で1612枚

・単語記憶(Words)

その名の通り、単語を覚える種目。名詞・動詞・副詞など様々な単語を記憶しなければならない。

世界記録:ヨハネス・マロー(ドイツ・男性)5分で140ポイント
ケイティー・カーモード(イギリス・女性)15分で318ポイント

・画像記憶(Images)

カラーの画像の順番を5分間で記憶する種目。WSMCの大会では行われておらず、代わりにAbstract Imagesが行われている。

世界記録:Su Zehe(中国・男性)316ポイント

・架空の日付(Fictional Dates)

「架空の歴史の日付」を5分間で記憶するという、ユニークな種目。記憶力選手権の種目では毎年のように世界記録が更新されているが、架空の日付だけは例外で、5年間以上世界記録が更新されていない。

世界記録:ヨハネス・マロー(ドイツ・男性)132ポイント

・スピードナンバー(Speed Numbers)

10進数の数字を、5分間で記憶する種目。

世界記録:アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)、マーウィン・ウェロニアス(スウェーデン・男性)520桁

・2進数ナンバー(Binary Numbers)

2進数の数字を記憶する種目。

世界記録:Enkhshur Narmandakh(モンゴル・男性)5分で1125桁
マーウィン・ウェロニアス(スウェーデン・男性)30分で5040桁

・スポークンナンバー(Spoken Numbers)

音声で読み上げられる数字を記憶する種目。大会の終盤で行われることが多い。

世界記録:ランス・ツチルハート(中国・男性)456桁

・スピードカード(Speed Cards)

52枚のカード(トランプ)の順番を、5分以内で記憶する種目。10種のうちの最終種目として行われる。

世界記録:アレックス・ミュラン(アメリカ・男性)16.96秒/52枚

・象徴的な図形(Abstract Images)

白黒の象徴的な形を覚える種目。2006年の大会から実施。IAMの大会では行われておらず、代わりにRandom Imagesが行われている。

・詩(Poem)

長文を覚える種目。2005年以降は行われておらず、代わりにAbstract Imagesが行われるようになった。


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